季語|シクラメン(しくらめん)

三春の季語 シクラメン

篝火花(かがりびばな)・豚の饅頭(ぶたのまんじゅう)

シクラメンの俳句と季語サクラソウ科シクラメン属の多年草。地中海地方が原産。春の季語になっているが、日本では、秋から春にかけて花が咲く。また、クリスマスに合わせて開花するように育てたりするため、どちらかといえば冬のイメージがある花である。
ソロモン王が、王冠にシクラメンをあしらったデザインを取り入れると、シクラメンは恥ずかしさのあまり下を向いたという。このことから、シクラメンの花言葉に「内気」「はにかみ」がある。また、色によっても花言葉は異なり、赤は「嫉妬」、白は「清純」、桃色は「はにかみ」などである。

受粉後に花茎が螺旋状に変化することから、ギリシア語で螺旋を指す「kiklos」 が語源となっている。また、日本では「篝火花」の名があるが、これは、植物学者・牧野富太郎が「篝火のようだ」と言った貴人の言を取り入れたものである。「豚の饅頭」の名は、豚が球根を掘って食べることからつけられた英名の直訳である。
「死」「苦」を連想し、見舞いに持参することは忌まれる。西洋では「アルプスのスミレ」などの呼称がある。

日本には明治初期に入ってきたが、本格的に広がっていったのは、大正時代の末。恵那市に住む伊藤孝重氏の尽力が大きい。その功績は、恵那市をシクラメンの一大産地と成した。
1975年のヒット曲「シクラメンのかほり」から、香りが良い花とのイメージが強いが、本来は無臭か微香性の花である。1996年になって、埼玉県がはじめて、本格的な芳香シクラメンの開発に成功している。

【シクラメンの俳句】

シクラメンをみなの恋の篝とも  小元洋子

▶ 春の季語になった花 見頃と名所

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