三夏の季語 ソーダ水
炭酸ガスを含む水のことを炭酸水、あるいはソーダ水という。これを清涼飲料水として味付けしたものは炭酸飲料とも呼ばれ、その涼感から夏の季語となる。元は重曹とレモン果汁のクエン酸が化学反応して生まれたもので、ナトリウム化合物を指す「ソーダ」と呼ばれる。
「サイダー」は、リンゴ酒を指す英語である。リンゴ風味の炭酸飲料にも使われるようになり、現在では無色透明の炭酸飲料の総称として用いられている。
「ラムネ」は、レモネードが転訛したもので、「玉詰びん(ラムネ瓶)」という容器に入れられたものである。現在では、内容物にサイダーとの違いはなく、玉詰びんに入っているかどうかでサイダーとラムネに分かれる。玉詰びんのラムネ玉は、炭酸の圧力によって内容物を密封する。
日本に炭酸飲料がもたらされたのは幕末で、1865年には長崎で「ポン水」と呼ばれるラムネの生産が外国人の手によって行われていた。1868年にはノース&レー商会により、横浜でサイダーの生産も行われた。これは、パイナップルとリンゴの味をつけた「シャンペン・サイダー」だったが、後に横浜に開業した金線サイダーがリンゴ味だけにしたため、「サイダー」となった。
【ソーダ水の俳句】
ソーダ水方程式を濡らしけり 小川軽舟