晩冬の季語 厄払い
「厄払い」とは、とりついた悪いものを取り除くという意味がある。本来は「厄祓」と書き、神仏に祈って穢れを払い落とすことである。
「厄落し」とは、災厄を模擬化して、以降の災厄を取り除こうとするものである。江戸時代には褌を落として「厄落し」とし、これを「ふぐりおとし」と呼んだ。
厄払いは寺社に行けば年中受け付けてもらえるものではあるが、現在では元旦から節分までに行われることが多い。俳諧歳時記栞草(1851年)では「厄払、厄落」として、冬之部十二月に分類している。古くは旧暦大晦日に行われ、節分の行事であった。
現代でも、災厄に見舞われるとされる「厄年」は、広く認識されている。厄年とは、数え年の男25歳・42歳・61歳、女19歳・33歳・37歳になる1年のことである。
【厄払いの俳句】
厄拂あとはくまなき月夜かな 大島蓼太