俳句

季語|彼岸(ひがん)

仲春の季語 彼岸

彼岸会(ひがんえ)彼岸過ぎ(ひがんすぎ)

彼岸の俳句と季語(やまとにしき)雑節の一つで、春分を中日とし、前後各3日を合わせた各7日間を彼岸と言う。秋分を中日とする秋彼岸もあるが、単に「彼岸」ならば、春の彼岸を指す。最初の日を「彼岸の入り」、最後の日を「彼岸明け」と言う。
盆には、亡くなった先祖が帰ってくると言われているが、彼岸には帰ってこない。彼岸は、ぼたもちなどで先祖を供養し、悟りの境地「彼岸」へと思いを馳せる日。

真西に太陽が沈む春分・秋分に、遙か西方の極楽浄土に思いをはせたのが彼岸の始まり。大同元年(806年)、日本で初めて彼岸会が行われた。なお彼岸の行事は、インドや中国の仏教にはなく、日本独自のものだとされる。

「和漢三才図会」(1712年)には、「龍樹菩薩天正験記」の引用があり、彼岸について述べている。それによると、春と秋の彼岸の7日間には、色界摩醯首羅天尊を中心とする神々が集って、人々の善悪を記すという。

語源は、サンスクリット語の Pāramitā つまり「波羅蜜」にあるとされ、これを意訳した「至彼岸」が元となっている。迷いや煩悩を川にたとえ、その向こうの涅槃を目指すもの。
「暑さ寒さも彼岸まで」と言われ、彼岸を過ぎると、春の陽気が支配的になる。

▶ 関連季語 春分(春)

【彼岸の俳句】

吹きよどむ風もをさまり彼岸過ぐ  加藤三七子
庭の木に同じ鳥くる彼岸入り  勝又星津女

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