仲春の季語 残雪
春になっても融け残っている雪のこと。俳諧歳時記栞草(1851年)では、春之部正月に「残雪(のこりのゆき)」を分類し、続拾遺集にある一条前関白の「春なれどなほ風さゆる山かげにこほりてのこるこぞのしら雪」の和歌を載せる。
万葉集には柿本人麻呂の和歌が載る。
御食向かふ南淵山の巌には 降れるはだれか消え残りたる
ここにあるはだれは「斑雪」で、春になって降る雪のことである。
水無瀬三吟の宗祇の発句「雪ながら山本かすむ夕べかな」は、残雪のことだと言われている。
▶ 関連季語 春の雪(春)
【残雪の俳句】
雪残る頂一つ国境 正岡子規