季語|蜂(はち)

三春の季語 

蜜蜂(みつばち)熊蜂(くまばち・くまんばち)

蜂の俳句と季語昆虫綱ハチ目(膜翅目)に分類される昆虫の内、アリ以外のものをハチという。秋の蜂、冬の蜂の季語もあるが、蜂が最も目に留まるのは、花の蜜を求めて飛び回る春である。
ハチには多くの種類があり、種類によって生活様式が大きく異なる。一部のハチは、アリと同じように社会性を持ち、役割に応じた産み分けがなされ、女王蜂や働き蜂が存在する。
身近に存在するハチには社会性を持った種類が多く、肉食のスズメバチ、アシナガバチ、ハナバチと呼ばれるミツバチなどが挙げられる。これらの働き蜂はいずれもメスで、産卵管を変化させた毒針を持つ。
ハチは一度刺すと死ぬと思われており、「ハチの一刺し」という言葉もあるが、これが当てはまるのはミツバチだけである。ミツバチは、スズメバチから巣を守るため、襲われた時に集団で抵抗し、毒針を刺す。その時に抜けないように返しがついているため、人間に対して毒針を使用した時には、引き離す時に内臓が剥がれて死んでしまう。

イギリスには「はちみつの歴史は人類の歴史」という言葉があり、ミツバチと人間とは太古から密接な関係を持っていた。日本では日本書紀に養蜂の記載があり、皇極2年(643)に百済から導入しようとしたが失敗したとある。日本で養蜂が定着したのは、平安時代の頃ではないかと考えられている。
なお、ミツバチは非常に頭の良い昆虫で、働き蜂は、その年齢により、割り当てられる仕事が変わるという。また、角度計算を行いながら飛翔したり、ゼロの概念を理解していると言われている。

女王蜂と言えば、特権をもって頂点に立つもののように思われているが、現実には、繁殖能力を失うと同時に働きバチから捨てられる運命にある。働き蜂は、女王蜂の死期を感じ取ると同時に、新たな女王蜂を育成し始める。

【蜂の俳句】

藪の蜂来ん世も我にあやかるな  小林一茶
腹立てて水呑む蜂や手水鉢  炭太祇

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