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ミヤコホテル

けふよりの妻と来て泊つる宵の春  日野草城 
夜半の春なほ処女なる妻と居りぬ  日野草城 
枕辺の春の灯は妻が消し  日野草城 
をみなとはかかるものかも春の闇  日野草城 
薔薇にほふはじめての夜のしらみつつ  日野草城 
妻の額に春の曙はやかりき  日野草城 
麗らかな朝の焼麺麭はづかしく  日野草城 
湯あがりの素顔したしく春の昼  日野草城 
永き日や相触れし手はふれしまま  日野草城 
失ひしものを憶へリ花曇  日野草城 

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