仲夏の季語 五月雨
旧暦5月頃に降る雨のことで、夏の季語となる。梅雨とは、五月雨が降る時期のこと。耕作に関与する接頭語「さ」に、「水垂れ」がくっついて「さみだれ」となった。
万葉集に「五月雨」は掲載されず、古今集あたりから出てくるが、和歌における地位を確立したのは西行か。多くの歌が残されており、
橘のにほふ梢にさみだれて 山ほととぎす聲かをるなり
などは、以降の和歌でもしばしば見られるように、「さ乱る」に掛けて用いられている。
「五月雨式」という言葉があるが、継続してものごとを行うのではなく、断続してものごとを進めるやり方である。
【五月雨の俳句】
五月雨を集めてはやし最上川 松尾芭蕉
五月雨や大河を前に家二軒 与謝蕪村