蓮(はす)

晩夏の季語 

白蓮(はくれん・びゃくれん)はちす(はちす)

季語インド原産のハス科多年性水生植物。水芙蓉・水の花とも呼ぶハスの花を、「蓮華(れんげ)」とも言う。7月の誕生花で、インド・スリランカ・ベトナムでは国花になっている。
7月から8月にかけて咲く花の色は白から桃色で、朝に開花して昼には閉じる。

地下茎は「蓮根(れんこん)」で、「蓮根掘る(はすねほる)」が冬の季語になる。
花托がハチの巣に似ていることから古くは「はちす」と呼ばれており、「ハス」に転訛した。

インドでは太古から聖なる花と見なされ、ヒンドゥー教では梵天、つまり創造神・ブラフマーが座すとされる。また仏教では、仏の智慧や慈悲の象徴となっている。
日本には古くから渡来していたと考えられており、縄文から弥生時代にかけての遺跡から出てきた古代蓮が、現代に蘇っている。

維摩経に「泥中の蓮」があり、北宋時代の愛蓮説には「蓮は泥より出でて泥に染まらず」とある。また「一蓮托生」という言葉は、死後に同じ蓮花の上に生まれ変わるという意味の仏教用語であり、転じて、結果はどうあれ行動を共にすることをいう。
「蓮の糸(はちすのいと)」は極楽往生の縁を結ぶとされている。「紅蓮地獄」は、寒さのために皮膚が破れて紅色の蓮のようになるという地獄の名である。

古事記(雄略記)には、赤猪子という美しい童女が結婚を約束されるが、すっかり忘れ去られていて、年老いてから再開する話が出てくる。そこで歌われる志都歌の最後に、蓮の花を、若い盛りの比喩に用いている。

日下江の入江の蓮 花蓮身の盛人 ともしきろかも

万葉集に蓮は4首出てくるが、長意吉麻呂は

蓮葉はかくこそあるもの意吉麻呂が 家なるものは芋の葉にあらし

と、蓮の葉に似ている芋の葉に絡めて、面白く歌い上げている。

うす縁や蓮に吹かれて夕茶漬  小林一茶
鯉飛びてあだに蓮ちる夕かな  勝見二柳

インターネット歳時記

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