季語|冴返る(さえかえる) 初春の季語 冴返る 春先、暖かくなり始めた頃に急に寒さが戻ることがある。「寒の戻り」と言ったり「凍返る」と言ったりもする。関連季語に「余寒」がある。 和歌に由来する季語であり、藤原為家が さえかへり山風あるる常盤木に 降りもたまらぬ春の沫雪 と歌っている。また謡曲八島に、「思いぞ出づる昔の春 月も今宵に冴えかえり」と、義経の幽霊が現れる。 【冴返るの俳句】 三日月はそるぞ寒はさえかへる 小林一茶 人に死し鶴に生れて冴え返る 夏目漱石