季語|春の山(はるのやま) 三春の季語 春の山 春山(はるやま・しゅんざん)・春嶺(しゅんれい) 草木は芽吹き、小鳥はうたう。春になると、山に生気が満ちて賑やかになる。けれども、靄がかかって、冬場ほど明瞭な影を見せなくなるのも春の山である。 郭熙(北宋の山水画家)の「画品」に「春山淡冶而如笑 夏山蒼翠而欲滴 秋山明淨而如粧 冬山惨淡而如睡」とあり、夏の「山滴る」、秋の「山粧ふ」、冬の「山眠る」とともに、春は「山笑ふ」と表現する。 万葉集に、作者不詳の和歌で 春山の馬酔木の花の悪しからぬ 君にはしゑや寄そるともよし がある。 【春の山の俳句】 小酒屋の出現したり春の山 小林一茶 赤い鳥青い鳥ゐる春の山 甲斐遊糸