俳句

季語|鴛鴦(おしどり・おし・えんおう)

三冬の季語 鴛鴦

鴛(おし・おしどり)

鴛鴦の俳句と季語(国会図書館)鳥綱カモ目カモ科オシドリ属の水鳥。東アジアに分布し、夏に北海道や東日本で繁殖する。冬になると西日本へも南下し越冬するため、冬の季語となる。
足には水かきがあり、通常は水面で雑食生活をしているが、繁殖は大木の樹洞で行うなどするため、木の枝に止まることもできる。
「鴛」は鴛鴦の雄、「鴦」は鴛鴦の雌を指す。雌は地味であるが、雄は美しい羽根に特徴があり、尾の両脇にある銀杏の形をした羽を、「思羽(おもいば)」「剣羽(つるぎば)」「銀杏羽(いちょうば)」などと呼び、これも冬の季語になる。また、鴛鴦の姿が沓に似ている様を「鴛鴦の沓(おしのくつ)」といい、冬の季語となる。

中国最古の詩篇「詩経」には、既に夫婦の愛情の象徴として鴛鴦が描かれている。万葉集にも4首が歌われており、柿本人麻呂の

妹に恋ひ寝ねぬ朝明に をし鳥のこゆかく渡る妹が使か

も、男女の仲が歌われている。
因みに、「剣羽」の名の由来は「曽我物語」にある。王に殺された夫婦が鴛鴦に生まれ変わり、王の首を剣羽で掻き落としたというものである。「大和本草」(貝原篤信1709年)にも「雌雄たがいに愛して相離れず、他鳥に異なる。二つのうち其の一つを失えば、朝夕思い慕い、憔悴して死す」とあり、「おしどり夫婦」の言葉もあるように、ひじょうに仲が良いことで知られてきた。
けれども、最近の研究で、冬ごとに相手を変えるという報告がなされている。

【鴛鴦の俳句】

鴛や池におとなき樫の雨  与謝蕪村

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