季語|狐火(きつねび)

三冬の季語 狐火

狐火の俳句と季語「狐火」とは、火の気のないところに現れる怪火をいう。「鬼火」と同じものと捉えられがちであるが、「鬼火」は信仰に基づいて語られることが多いのに対し、「狐火」は人を惑わすものとして捉えられることが多い。
リン化水素が燃えて発する炎と考えられることがあり、「燐火」と呼ばれる。また、光の異常屈折によって発生するとも説明される。通常は夏場に発生するものであるが、「狐火」が冬の季語となるのは、「狐」が冬の季語となることや、大晦日の夜に関八州の狐が集まり行列をなしたという「王子の狐火」の伝承の影響と見られる。

伝承では、「狐火」とは狐の口から吐き出される松明のような色をした怪火で、一列に並んで現れる。ついたり消えたりする炎で、近付くと消えてしまうという。

【狐火の俳句】

狐火や髑髏に雨のたまる夜に  与謝蕪村
狐火を信じ男を信ぜざる  富安風生

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