三夏の季語 夜鷹
蚊吸鳥(かすいどり)
ヨタカ目ヨタカ科ヨタカ属の鳥。日本には、インドネシアなどで越冬していたものが夏鳥として飛来し、繁殖活動を行う。
夜行性で、昼間は木に擬態して休む。大きな口を開けて飛翔し、主に昆虫を食す。
夜に活動し、鷹のような羽毛を持つところから、「夜鷹」と名付けられたと考えられる。宮沢賢治の童話に「よだかの星」があるが、醜い鳥として描かれている。
江戸時代に、辻に立って商売をした最下層の遊女も、「夜鷹」と呼ばれた。これは、夜行性のヨタカに掛けてつけられた呼び名である。また、夜間に屋台で商売をした蕎麦屋は、「夜鷹蕎麦」と呼ばれた。夜鷹蕎麦は冬の季語になっている。
【夜鷹の俳句】
夜鷹鳴き月またくらしやぶれがさ 水原秋桜子