山口県の季語と俳句

山口県内 俳句の舞台となった旅館

春帆楼

1888年に河豚料理公許第一号店となった「春帆楼」は、下関条約が締結された歴史の舞台でもある。伊藤博文をはじめ、多くの有名人が訪れており、後藤比奈夫に「しをりあり春帆楼の秋の雨」、能村研三に「春帆楼見えて海峡霞みけり」の俳句がある。
関門海峡を挟んだ九州側には、系列の河豚料理店「三宜楼茶寮」がある。その3階の「俳句の間」は、高浜虚子が俳句を詠んだ部屋であり、北九州ゆかりの杉田久女の句も掲げられている。

山口県の御当地季語

先帝祭(春の季語)
5月2日から4日に赤間神宮で行われる安徳天皇の霊を慰める祭り。

河豚供養(春の季語)
4月29日に南風泊市場で行われる供養祭。河豚漁が終わった月の「ふく(29)」に掛けて、4月29日に制定された。

夏蜜柑(夏の季語)
江戸時代中期に青海島に漂着した柑橘が起源。4月頃に食べ頃を迎えるため、春の季語と解釈する向きもある。

数方庭祭(秋の季語)
8月7日から13日に忌宮神社で行われる新羅遠征に関係する祭り。

山口県を詠んだ俳句

うまれた家はあとかたもないほうたる 種田山頭火
晩年の自選句集「草木塔」(1940年)の「旅心」の項にある句。山頭火は、現在の防府市に生まれた。「草木塔」には「若うして死をいそぎたまへる母上の霊前に本書を供へまつる」の詞書。

ご当地季語と御当地俳句