季語|鵯(ひよどり・ひえどり)

晩秋の季語 

鵯の俳句と季語(生写四十八鷹ひよどり南てん)スズメ目ヒヨドリ科ヒヨドリ属に分類される漂鳥であるが、留鳥として年中観測されるものもある。特に東京では、近年の温暖化の影響か、一年中生息している。雑食ではあるが、果実や花の蜜を啜っている様子がよく観察される。

ほぼ日本特有の鳥として知られているが、10月から11月にかけて、日本列島を北から南へ向かう大規模な渡りが観測される。海峡を集団で渡る様子は、しばしばメディアで取り上げられるが、躊躇うように何度も円を描いた後、決意したかのように海面すれすれを渡っていく様は壮観。これは、天敵であるハヤブサなどの攻撃を避けるためであると言われている。
源平合戦に一ノ谷の後山を鵯越と号し、今も神戸にその地名が残っているが、この場所は、本州と淡路島を結ぶ鵯の渡りのルート上にある。

その名の由来ともなった「ヒーヨ、ヒーヨ」という甲高い鳴き声が特徴であるが、意外に美しい声で囀ることもある。
人によく懐くため、平安時代には「鵯合わせ」という、優劣を競う大会があったと言われている。

【鵯の俳句】

ひよどりのこぼし去りぬる実のあかき  与謝蕪村

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