俳句

群馬県の俳句と季語

群馬県内 俳句の舞台となった旅館

草津温泉 望雲

温泉旅館「望雲」。七代目黒岩鷺白は、雲嶺庵の号を持つ高桑蘭更門下の俳人で、蘭更の「六月やいたる処に温泉の流れ」に、鷺白は「氷室のさくら山ほとゝぎす」と付けている。また、小林一茶とも交流があり、一茶は文化5年5月29日(1808年6月22日)に訪れ、「湯けむりにふすぼりもせぬ月の貌」と詠んでいる。一茶のこの句の句碑は、近くの光泉寺にある。近代に至っても、高村光太郎や斎藤茂吉ら、多くの文人が訪れた旅館である。

群馬県の御当地季語

福達磨(新春の季語)
達磨寺と呼ばれる少林山達磨寺で、1月6日から7日に、少林山七草大祭だるま市が開催される。浅間山の大噴火による大飢饉から農民を救うために、正月七草大祭の縁日に達磨が売られるようになった。

初赤城(新春の季語)
元旦に見る赤城山のこと。

赤城颪(冬の季語)
赤城山から吹く北寄りの乾燥した冷たい強風。「上州空っ風」とも呼ぶ。

群馬県を詠んだ俳句

浅間山の煙出て見よけさの秋 村上鬼城
境涯の俳人と呼ばれた鬼城は、8歳の時に高崎市に移り住んだ。

きつつきや落ち葉をいそぐ牧の木々 水原秋桜子
「葛飾」(1930年)所収。1928年に赤城山を訪れて詠まれた俳句。1931年の「日本新名勝俳句」で、帝国風景院賞句に輝く。

葛咲くや嬬恋村の字いくつ 石田波郷
1943年の句集「風切」所収。1942年6月に結婚した後、8月に嬬恋村を訪れている。

山吹や昼をあざむく夜半の月 前田普羅
「春寒浅間山」(1943年)所収。新鹿沢の夜景を詠んでいる。

ご当地季語と御当地俳句