滋賀県内 俳句の舞台となった旅館
旅館 紅鮎森澄雄の定宿として知られる、琵琶湖北東部の湖畔に佇む温泉旅館である。西方には竹生島が浮かび、露天風呂から眺める夕景は格別である。森澄雄は、「一宿の淡海に近し紅鮭」「遠く来て淡海に宿り紅葉鮒」の俳句をのこしている。
滋賀県の御当地季語
初比叡(初春の季語)元日に比叡山を望み見ること。
山王祭(春の季語)4月12日から15日に開催される日吉大社の例祭。
榊伐(春の季語)4月3日頃に行われる日吉大社の神事「大榊神事」。
比良八講(春の季語)3月下旬、比良の延宝寺で行われる法華経八巻の法会を「比良八講」と言う。
比良八荒(春の季語)比良八講の頃、琵琶湖の湖南での比良山系からの吹き降ろしをいう。
瀬田蜆(春の季語)瀬田川でとれるしじみ。
わたこ(春の季語)コイ科クセノキプリス亜科に属する琵琶湖特産の魚で、ワタカともいう。鮓漬にしたりなどして食す。
松本祭(夏の季語)5月5日の大津市松本の平野神社の例祭。
筑摩祭(夏の季語)5月8日の米原市の筑摩神社での奇祭。
長刀踊(夏の季語)5月5日の守山市の小津神社での例祭で奉納される長刀振り。
唐崎参(夏の季語)7月28日から29日の唐崎神社における唐崎祭に参詣すること。その日の参詣は千日分に相当するとされる。
竹生島祭(夏の季語)6月10日から15日に開催される都久夫須麻神社の例祭を中心とする祭り。
源五郎鮒(夏の季語)コイ科フナ属に分類される琵琶湖固有種の鮒。堅田の漁夫源五郎が安土城主に貢じたことから名がついた。
逆髪祭(秋の季語)現在では5月第3日曜日に行われている蝉丸神社の例祭は、かつて陰暦9月24日に行われ、逆髪祭と呼ばれた。謡曲「蝉丸」と関係がある。
大津祭(秋の季語)体育の日の前日の日曜日に開催される天孫神社における曳山巡行。大津三大祭のひとつ。
三井寺女詣(秋の季語)女人禁制であった園城寺(三井寺)は、陰暦7月15日のみ参詣を許可していた。
江鮭(秋の季語)サケ科の淡水魚「ビワマス」のことで、琵琶湖特産。
紅葉鮒(秋の季語)琵琶湖でとれる鮒で、秋に鰭が赤くなったもの。
鬼走(冬の季語)1月中旬に長寿寺と常楽寺で行なわれる追儺会。
いさざ(冬の季語)スズキ目ハゼ科に分類される琵琶湖固有種のハゼ。食用にする。
滋賀県を詠んだ俳句
石山の石より白し秋の風 松尾芭蕉1689年(元禄2年)の「おくのほそ道」の「那谷」に現れる句であり、現在の石川県小松市で詠まれた。石山とは、石山寺。
石山の石にたばしる霰かな 松尾芭蕉元禄3年(1690年)の句。
木枯の果はありけり海の音 池西言水元禄3年(1690年)の「新撰都曲」に初出の言水の代表句で、この句によって「木枯の言水」との名声を得た。「湖上眺望」の前書きがあり、「海」は琵琶湖、「木枯」は比叡颪である。
木曽殿と背中合せの寒さかな 島崎又玄元禄4年(1691年)、芭蕉の居た義仲寺の無名庵を訪ねて詠まれた。義仲寺には、芭蕉墓が木曾義仲の墓と並んであるために、死後の芭蕉を詠んだものと思われがちである。
さみだれのあまだればかり浮御堂 阿波野青畝大正13年に詠まれた俳句で、昭和6年、高浜虚子選の「日本新名勝俳句」で風景賞を得た。芭蕉句を下地にしたもの。