俳句

島根県の季語と俳句

島根県内 俳句の舞台となった旅館

松江しんじ湖温泉 皆美館

松江の中心部に位置する皆美館は、多くの文人を唸らせた、宍道湖を臨む料理旅館。1927年に島崎藤村が宿泊の謝礼に揮毫した芭蕉句が、「老松(藤村の間)」に掲げられている。山口誓子は1959年の訪問時に「鴨群れて浮くこれほどの奢りなし」と宍道湖を詠み、「鴨残る藤村の間に藤村も」の俳句は、その15年後、庭園内に句碑となった。

島根県の御当地季語

出雲祭(夏の季語)
5月14日から16日に出雲大社で行われる大祭礼。

神在月(冬の季語)
旧暦十月は、全国の神様が大国主が祀られる出雲大社に集結するため、全国的には神無月であるが、出雲では神在月という。

神渡し(冬の季語)
神無月のころに吹く西風。神々が出雲大社に集結するために吹く風だと言われる。

神送(冬の季語)
陰暦9月30日または10月1日に、全国の神々が出雲大社へ旅立つこと。また、これを送る行事。

神の旅(冬の季語)
陰暦10月に、神々が出雲大社へ旅立つこと。

神在祭(冬の季語)
神在月の期間(年によって異なる)に、出雲大社で行われる祭事。

出雲大社新嘗祭(冬の季語)
11月23日に、出雲大社で行われる古伝新嘗祭。

神等去出の神事(冬の季語)
神在月の最後(年によって異なる)に、神々の出雲大社からの御出立をお送りする行事。

神迎(冬の季語)
出雲大社から帰ってきた神々をお迎えする行事。

諸手船神事(冬の季語)
12月3日に美保神社で行われる、古事記などに記された国譲り神話に関係した神事。

島根県を詠んだ俳句

仰ぎ見る大注連飾出雲さび 杉田久女
「杉田久女句集」(1969年)所収。

はつゆめの半ばを過ぎて出雲かな 原裕
「出雲」(1987年)所収。

隠岐やいま木の芽をかこむ怒濤かな 加藤楸邨
「雨後の天」(1943年)所収。1941年3月に詠まれた俳句。