俳句

栃木県の季語と俳句

栃木県の御当地季語

日光強飯式(春の季語)
4月2日に、日光の輪王寺で行われる儀式で、「日光責め」とも言われる。山伏が三升入りの大椀を持って「喰え喰え」と責める。

日光黄菅(夏の季語)
ユリ科の花で、日光の戦場ケ原に多く自生していることから名がついた。

繍線菊(夏の季語)
「繍線菊」と書いて「しもつけ」と読む。バラ科の落葉低木で、下野国(栃木県)で発見されたことから名がついた。

日光東照宮祭(夏の季語)
5月17日から18日にかけて行われる、日光東照宮の例大祭。5月17日には「神事流鏑馬」が奉納され、「宵成祭」が行われる。5月18日には神輿渡御祭「百物揃千人武者行列」が行われる。

栃木県を詠んだ俳句

暫時は瀧に籠るや夏の初 松尾芭蕉
「奥の細道」の日光での句。元禄2年4月2日(1689年5月20日)に、裏見ノ滝へ行ったとある。ここにおける「夏」とは、仏教用語で夏籠して座禅修行すること。

あらたうと青葉若葉の日の光 松尾芭蕉
「奥の細道」の日光での句。一行は、元禄2年4月1日(1689年5月19日)に日光に着いた。「あらたうと」は、「あら尊し」の意味。

木啄も庵はやぶらず夏木立 松尾芭蕉
「奥の細道」の旅で、元禄2年4月5日(1689年5月23日)に雲巌寺に立ち寄った。「奥の細道」には、この句を即興で詠んで、柱に書き残したとある。

夏山に足駄を拝む首途哉 松尾芭蕉
大田原市に、修験光明寺跡がある。「奥の細道」では、招かれて行者堂を拝して詠まれたことになっている。元禄2年4月6日(1689年5月24日)。

田一枚植て立去る柳かな 松尾芭蕉
「奥の細道」の旅で、遊行柳を詠んだ句。元禄2年4月20日(1689年6月7日)。

剃捨て黒髪山に衣更 河合曾良
「奥の細道」に随行した曾良が、日光で詠んだ句。黒髪山とは男体山のこと。

古庭に鶯啼きぬ日もすがら 与謝蕪村
寛保四年(1744年)の正月に、宇都宮の生福寺で詠まれた。「宰鳥」の俳号を改め「蕪村」になった記念の句である。