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百合山羽公 ●

初釜にスカート緑濃き乙女 季
桃冷す水しろがねにうごきけり 季
老の眼の僅かにたのし青蜜柑 季
火事を噴きあげては町の密集す 季
退院すエイプリルフールに先んじて 季
また過ぎぬ鏡開の一日も 季
正月の凧や子供の手より借り 季
罪を負ふごとく百足の逃げ惑ふ 季
蟻のごとき塚掘り学徒水を呑む 季
隼の落暉に燃ゆる瞳に逢へる 季
花烏賊を煮て吹き降りの夕べなり 季
砂丘つみ重ねて僅か松露あり 季