俳句

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木下夕爾 

春雨やみなまたたける水たまり 
愛憐の火ははるかなり青き踏む 
あくびしていでし泪や啄木忌 
噴水の影ある白き椅子ひとつ 
毛虫焼く火のめらめらと美しき 
枝豆や詩酒生涯は我になし 
牧柵を越えてあまたの秋の蝶 
音のして海は見えずよ草の花 
枯野ゆくわがこころには蒼き沼 
一片の雲ときそへる独楽の澄み 
家々や菜の花いろの灯をともし 
パイプ椅子鉄の灰皿棕櫚の花 
陽に倦みて雛罌粟いよよくれなゐに 
羽蟻翔ちぬさらにまぶしき園ありや 
歎けとてやゆすらうめ咲く厨裏 
おだやかに戻る暑さや稲の花