松崎鉄之介 ●
兜太の里呵々大笑の山ばかり 季水巴門多き天城の風涼し 季トルファンの夜店の雨に濡れにけり 季をみなめし遥かに咲きて黄をつくす 季壬生を見て吉田へ詣る節分会 季雷つれて富士の時雨の大粒に 季船津屋の一人泊りに千鳥聞く 季喰積に眼を遊ばせてゐたるかな 季ただ灼けて玄奘の道つづきけり 季汐よしとうなづきて出づいさき船 季山の墓地まだ余地ありて茄子の花 季
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