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岸田稚魚 

入学の日の雀らよ妻と謝す 
面あげて風の春駒磯いそぐ 
母死後の目に一杯や花杏 
茎立やおもはぬ方に月ありて 
なづな咲きふり返りても風の音 
鬼灯市夕風のたつところかな 
三つ咲いて空を占めたる朴の花 
地蔵会の犬舌鳴らす潦 
風の香の身につきそめし雁のころ 
泣顔の子にちかぢかと通草熟れ 
加はりて日向ぼこりに黙しゐる 
笹鳴や痩せし日射しを膝の上 
ややありて女のこゑや門礼者 
左義長やまつくらがりに海動き 
青北風や目のさまよへば巌ばかり 
寒波来こゑを失くして息を吐く 
胸ぐらに母受けとむる春一番 
少年の恋花氷痩せてあり 
刻々の大赤富士となりゐつつ 
七日喪の霜の甘藍呟きぬ 
覆面の瞳鰊の他は何も見ず 
からたちの花の昔の昔かな 
凸凹の坐りごこちの花筵 
風立つや坐り直して花筵 
暗き屋より海猫に似て婆のこゑ 
草木より人飜る雁渡し 

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