雁 click ⇒ ≪解説≫
今日からは日本の雁ぞ楽に寝よ 小林一茶雁やのこるものみな美しき 石田波郷(病鴈)風の香の身につきそめし雁のころ 岸田稚魚湖北より暮色の迫る雁のみち 本宮哲郎雁なくや夜ごとつめたき膝がしら 桂信子雁よりも高きところを空といふ 今瀬剛一阿蘭陀の文字か横たふ天つ雁 西山宗因幾行も雁過る夜となりにけり 松岡青蘿雲とへだつ友かや雁のいきわかれ 松尾芭蕉病雁の夜寒に落ちて旅寝かな 松尾芭蕉雁は文字おほふや霧の韻塞 北村季吟妻が夢子が夢雁や渡しつつ 石塚友二山家集読終へて雁を聞にけり 室生犀星紀の路にもおりず夜を行く雁ひとつ 与謝蕪村旅人の雁をかぞへて日をかぞふ 山口青邨小波の如くに雁の遠くなる 阿部みどり女羽音さへ聞えて寒し月の雁 松岡青蘿伊勢までのよき道づれよ今朝の雁 向井千子(伊勢紀行)
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