俳句

俳人検索結果



草間時彦 

大磯に一庵のあり西行忌 
逢ひに行く開襟の背に風溜めて 
冷房にゐて水母めくわが影よ 
大粒の雨が来さうよ鱧の皮 
点滴の一滴づつの秋の暮 
まつくらな海がうしろに切子かな 
芋子汁振り向くたびに地蔵岳 
色鳥やきらきらと降る山の雨 
鈴虫を塞ぎの虫と共に飼ふ 
がうがうと黄落の音したりけり 
冬の夜や小鍋立して湖の魚 
窓の下を河流れゐる年忘れ 
百貨店めぐる着ぶくれ一家族 
籠青し翳かさねたる寒卵 
ポインセチアこころに人の棲まずなりぬ 
停年を妻言へり松納めつつ 
えんぶりの笛恍惚と農夫が吹く 
足もとはもうまつくらや秋の暮 
冬薔薇や賞与劣りし一詩人 
家裏に廻る夕日や花みづき 
金雀枝や妻子たむろす古畳 
初松魚燈が入りて胸しづまりぬ 
夕月は水色なせり黐の花 
椎の花友の境涯もてあそぶ 
クロッカス光を貯めて咲けりけり 
車組む道が乾けば道に出て 
公魚をさみしき顔となりて喰ふ 
金魚赤し賞与もて人量らるる 

俳句歳時記 秋 桂信子/監修 金子兜太/監修 草間時彦/監修 廣瀬直人/監修 古沢太穂/監修
2420円(税込/送料別)
カード利用可・海外配送不可・翌日配送不可
【コンビニ・銀行振込不可】 【ドラマ×プリンセスカフェ】