石塚友二 ●
交む時竹撓はせて雀らよ 季街の子や雨後の溜りの水遊び 季青年の黒髪永遠に我鬼忌かな 季鎌倉に残る畑の芋の秋 季初便り皆生きてゐてくれしかな 季爪研いで成人の日の乙女はも 季百方に借あるごとし秋の暮 季すがすがと秘色の風の端午かな 季生ビール呷るや舌に縮む泡 季鼈甲の色滴らしまむし酒 季髯貯めて友も古りにし温め酒 季樽仙人熱燗の猪口ふふむ図か 季妻が夢子が夢雁や渡しつつ 季好日やわけても杉の空澄む日 季●室咲の豆科ばかりのはかなさよ 季建長寺さまのぬる燗風邪引くな 季竹山の秀のしわしわと風光る 季春塵裡常凡の夫婦たらむかな 季泡盛や汚れて老ゆる人の中 季遣り過す土用鰻といふものも 季古草の芽や古草の芽なりけり 季射干の炎々燃ゆる芝の中 季水飯や一猫一犬二子夫妻 季秋めくや素肌の単衣朝薄し 季枸杞の実や石積む岸の滑川 季深夜の驛とんびの袖を振り訣れ 季言のみの猛威泡なす河豚鍋 季笛吹いて落第坊主暇あり 季干鰈はらご共に焼けてけり 季利休忌のがぶ飲みの茶を楽しめり 季海棠忌さびしきは人恋ふるなり 季蠅生れ戦車軍艦復た還る 季玉萵苣の早苗に跼みバス待つ間 季鬼やんまひとり遊べり櫟原 季
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