後藤夜半 ●
つく息のわづかにおくれ滴れり 季くちなしの花びら汚れ夕間暮 季消息のつたはりしごと一葉落つ 季短日の灯をともす間の筆を措く 季狐火に河内の国のくらさかな 季大阪の冬の灯ともる頃へ出る 季滝の上に水現れて落ちにけり 季 (翠黛)●探梅のこころもとなき人数かな 季蛇嫌ひなりし学僧わがあとに 季舌うちし温め酒の名は問はず 季夕顔に眉つくりたる蛾の遊ぶ 季底紅の咲く隣にもまなむすめ 季てのひらにのせてくださる柏餅 季忍冬の花折りもちてほの暗し 季国栖人の面をこがす夜振かな 季山茱萸の花完結のなく続く 季
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