俳句

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久村暁台 

行燈に薬鑵釣りたる霜夜哉 
塩鳥の歯にこたへたり冷しさけ 
雪どけや野飼の蹄の水浸り 
あま伝ふ星の御影になく千鳥 
松島や果てはかなしや夕ながめ 
此ごろは夜雨夜雨や桃のはな 
日の春のちまたは風のひかりけり 
陽炎のものみな風の光りかな 
両袖に泣子やかこふ閨のしも 
蛭肥えて芹ふし立ちぬ日向水 
九月尽はるかに能登の岬かな 
水札の子の浅田に渡る夕かな 
坂鳥の胸をうたるる笞かな