村山古郷 ●
登高や浪ゆたかなる瀬戸晴れて 季初売の五寸角材抛り出す 季初鳩や水平飛行して千木に 季端居してかなしきことを妻は言ふ 季熱燗や雨ぬれ傘を脇に置き 季野宮の竹美しや春しぐれ 季●出雲路の神在月となりしかな 季ふところに川風あふれ夏浅し 季照り霞めども舟上に浪散る日 季グラジオラス一方咲きの哀れさよ 季吊忍病弱なげくすべなしや 季暮れてより稲妻しげし露伴の忌 季裏切られ通しまひまひを見てゐたり 季少し降つて涼しくなりぬ盆の月 季鳩吹くや犬は夕日にうづくまる 季長長しき牛蒡掘るなり練馬野は 季べつたら市青女房の髪匂ふ 季梨青し我屋に廂なかりけり 季山川の淋しき国や晩稲刈 季島乙女さびしからずや冬の浪 季肩掛に背信の人とも見えず 季住み馴れて橋の名知らず枯柳 季京に来て降り込めらるゝ大石忌 季初鮒や門の雪田も水漬きそむ 季
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