飴山實 ●
どの椿にも日のくれの風こもる 季婚礼の透けてゆくなり桑畠 季卯月野の木にちかづけばすぐ沾るゝ 季蚊を打つて我鬼忌の厠ひびきけり 季大雨のあと浜木綿に次の花 季酒蔵の酒のうしろのちゝろ虫 季少年の手中の胡桃鉄路越す 季奥能登や打てばとびちる新大豆 季冬耕の日あたるたびにあらはるる 季裏白を剪り山中に音を足す 季うつくしきあぎととあへり能登時雨 季小鳥死に枯野よく透く籠のこる 季何もかも映りて加賀の田植かな 季亀を売り森閑たりき町の角 季荒海をまへに木挽や初真瓜 季手にのせて火だねのごとし一位の実 季旅びとに三日を蹤けり花蘇枋 季苗床となりて濡れゐる蜜柑箱 季雀らの藪に入りこむ忘れ雪 季
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