波多野爽波 ●
チューリップ花びら外れかけてをり 季大根の花や青空色足らぬ 季海女たちに茅花の風の冷えてきし 季種採るや洗ひざらしのものを着て 季自転車の灯のはづみくる虫の原 季船あしをゆるめ近づく島紅葉 季冬空や猫塀づたひどこへもゆける 季毛絲編む一つ想ひを追ひつづけ 季鶴凍てて花の如きを糞りにけり 季金魚玉とり落しなば鋪道の花 季炬燵出て歩いてゆけば嵐山 季骰子の一の目赤し春の山 季鳥の巣に鳥が入つてゆくところ 季あかあかと屏風の裾の忘れもの 季
1 |
【中古】再読波多野爽波/邑書林/小林千史(単行本)3378円(税込/送料込)カード利用可・海外配送不可・翌日配送不可 【VALUE BOOKS】