俳句

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青木月斗 

白靴の汚れが見ゆる疲かな 
春愁や草を歩けば草青く 
初夢やうらうらとして金砂子 
柘榴自ら侘しきものと思へるや 
金魚玉に聚まる山の翠微かな 
臨終の庭に鶯鳴きにけり 
余り多く酒たしなまず鱧茶漬 
太閤が睨みし海の霞哉 
盞の数をつくして年酒かな 
泉殿急雨に魚の飛ぶ見ゆる 
井戸水を浴びて涼しき日陰哉 
杉風忌杉風肥えて暑からん 
宗祇忌や秋澄み渡る富士の山 
一冬の炉に主たり裘 
その色とその香の春や椿餅 
壷焼や暖さ云ひ脱ぐ旅合羽 
其角忌や槎牙たる梅の影も闇 
このあたり焼かれし草の若葉かな 
萩若葉霖雨の中の晴一日 

俳人青木月斗 [ 角光雄 ]
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