俳句

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室生犀星 

青梅の臀うつくしくそろひけり 
はれあがる雨あし見えて歯朶あかり 
鯛の骨たたみにひらふ夜寒かな 
夏の日の匹婦の腹に生まれけり 
叢に山繭白し風薫る 
山家集読終へて雁を聞にけり 
鰯やく煙とおもへ軒の煤 
秋待や径ゆきもどり日もすがら 
隣り間にいとどを捨つる夜半の秋 
固くなる目白の糞や冬近し 
金澤のしぐれをおもふ火桶かな 
焼芋の固きをつつく火箸かな 
何の菜のつぼみなるらん雑煮汁 
若菜籠ゆきしらしらと疊かな 

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