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宇多喜代子 ●

鳥のほかなにも来はせぬ辻の春 季
入口が出口となるよつばくらめ 季
六月来ドアー開けきつて理髪店 季
つらつらと婆が茣蓙のべ夏磧 季
蚊帳の中いつしか応えなくなりぬ 季
月の風マルセルマルソー吹かれけり 季
稲刈の女のむかし尻高々 季
白息をしずかに流し鶏を飼う 季
天皇の白髪にこそ夏の月 季
猪の荒肝を抜く風の音 季
思ひ出す男のひとり明日ダービー 季