俳句

秋に添うて行かばや末は小松川

あきにそうて いかばやすえは こまつがわ

秋に添うて行かばや末は小松川「陸奥鵆」(1699年桃隣編)に「女木沢桐奚興行」の前書きがある松尾芭蕉 の句。女木沢とは、深川芭蕉庵脇の隅田川から伸びる小名木川のことで、現代の荒川の手前にあった中川と交差し、小松川になる。桐渓の興行で舟遊びした時に詠まれたもの。

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新小岩香取神社の句碑(東京都江戸川区)

秋に添うて行かばや末は小松川芭蕉の時代であれば、小松川を上ったところに西小松川村があり、そこの鎮守社が、今の新小岩香取神社である。小松川も昔は船の往来があったというが、現在では小松川親水公園となっており、水流はあるが、船を浮かべることさえ困難である。ただ、美しい緑地帯となっており、人々の声の中にも鳥の囀りがある。
また、八代将軍徳川吉宗が鷹狩りの際、新小岩香取神社の神主・亀井和泉守のもとを訪れている。その際に提供した菜っ葉入りの餅の澄まし汁が、「小松菜」の名前の由来になったという。
現在でも神社横に、その屋敷が「小松菜屋敷」として残されており、そこの当主であった亀井鳴瀬と妻・亀井杉芽女は、原石鼎に師事した俳人であった。その亀井杉芽女が昭和60年に建立したのが、この芭蕉句碑である。碑文に「九月尽の日 女木河に舟をさし下りて 秋にそうてゆかはや 末は小松川」とある。
【撮影日:2020年3月25日】

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