俳句

川上とこの川下や月の友

かわかみと このかわしもや つきのとも

川上とこの川下や月の友元禄6年(1693年)秋、隅田川に東方から合流する小名木川に舟を浮かべ「深川の末、五本松といふ所に船をさして」という前書きで詠まれた松尾芭蕉の句。句意は、「川上において友も同じ月を眺めていることだろう」というもの。その友とは、「目には青葉山ほととぎす初がつお」の句で知られる山口素堂のことだと言われている。
芭蕉没後の元禄11年(1698年)「続猿蓑」所収。

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芭蕉庵史跡展望庭園の句碑(東京都江東区)

川上とこの川下や月の友綾部藩九鬼家の下屋敷に五本松があり、その松を三代将軍家光が愛でたことから、「小名木川五本松」という月の名所になったという。場所は、ここから東に2㎞ほど行った島忠のあたり。かつては住友セメントシステム開発があり、この句碑は、創立20周年記念として、平成20年12月4日に工場敷地内に建立されたもの。平成23年7月の移転に伴い、当地に寄贈された。

この句碑がある芭蕉庵史跡展望庭園は、小名木川と隅田川の合流地点を見下ろすようにつくられている。屋外にあるものの、芭蕉像や芭蕉庵再興集図絵などの各種資料を、パネルにして展示。眺望もよく、絶好の休憩所でもある。
【撮影日:2018年4月16日】

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