俳句

菊の花咲くや石屋の石の間

きくのはな さくやいしやの いしのあい

菊の花咲くや石屋の石の間松尾芭蕉 元禄6年(1693年)秋の句。芭蕉50歳。死の前年に当たる。
元禄9年(1696年)「翁艸」所収。斎藤月岑の江戸名所図会「三ツ橋」にも、「八丁堀にて」の前書きとともに掲げられた句として知られる。

与力同心の住む町であった八丁堀。「江戸雀」(1677年)に「八丁堀、石をあきなふ」とあるように、水路を利用した石屋も多かった場所である。
長寿を祝う花と、死後の象徴をかたちづくる石屋に見る石との対比か。

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八丁堀の句碑(東京都中央区)

菊の花咲くや石屋の石の間八丁堀・亀島橋の袂にこの句碑がある。平成14年(2002年)建立。
「八丁堀を詠む 菊の花咲くや石屋の石の間 芭蕉(五十歳)元禄六年(一六九三)」と刻まれ、句碑の隣に立つ説明書きには、次のようにある。

俳人松尾芭蕉(一六四四~一六九四)の句。元禄六年(一六九三)作。「藤の実」「翁草」「蕉翁句集」などに所収。
この句は「江戸名所図会」三ツ橋の挿絵に八丁堀にてとして載っている。
中央区公園緑地課

因みに亀島橋は、元禄12年(1699年)普請。芭蕉は架橋を知らない。
【撮影日:2018年11月23日】

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