俳句

草の戸や日暮れてくれし菊の酒

くさのとや ひぐれてくれし きくのさけ

草の戸や日暮れてくれし菊の酒松尾芭蕉、元禄4年(1691年)9月9日の重陽の節句に、義仲寺無名庵で詠まれた句。「笈日記」(各務支考1695年)に、「鎖あけて月さし入よ浮み堂」のあと、「おなじ年九月九日、乙州が一樽をたづさへ来りけるに」の前書きとともに、「草の戸や日暮てくれし菊の酒」と詠まれ、河合乙州が「踟手にのする水桶の月」と付けている。
菊の酒とは、重陽の節句に長寿を願って飲むもの。

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大津馬場児童公園の句碑(滋賀県大津市)

草の戸や日暮れてくれし菊の酒芭蕉の墓所である義仲寺の近く、再開発に伴う子供の遊び場を確保する目的で、近年公園が整備され、そこに芭蕉の句碑が設置された。脇の説明書きには以下のようにある。

芭蕉翁は、この近隣の義仲寺無名庵に住んでいました。元禄四年(一六九一)九月九日(重陽の節句)のこと。侘しい草庵の生活で何の祝い事もないまま迎えた淋しい夕暮れ時、大津の門人乙州が酒一樽を持って訪ねてくれたのです。
「菊の酒」とは、この日に盃に菊の花を浮かべて飲むと健康長寿が得られるというもの。門人との温かい心の交流が伝わってきます。 大津市

【撮影日:2018年12月31日】

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