俳句

是がまあつひの栖か雪五尺

これがまあ ついのすみかか ゆきごしゃく

一茶のド根性魂が滲み出た句

是がまあつひの栖か雪五尺「七番日記」文化9年(1812年)11月項に、「是がまあつひの栖か雪五尺」として載る小林一茶の句である。この時一茶は50歳。故郷に骨を埋めるつもりで、11月17日に江戸を発ち、11月24日に柏原に入り、しばらく兵右衛門のところに寄宿した。柏原に入った当日は晴だったものの、翌日から2日間は雪。
この句は、「是がまあ死所かよ雪五尺」の句とともに夏目成美の許に送られたが、成美は、「死所かよ」には棒を引き「是がまあつひの栖か雪五尺」を「極上々吉」と評した。


「人生の最後にたどり着いたのは、こんなにも雪深い場所か…」といった意味になろうか。
まだ住む家が定まっていない状況にあったにもかかわらず詠まれた句であり、遺産相続問題などもあった。さらに、推敲の中で生まれた「是がまあ死所かよ雪五尺」を考えるに、あきらめにも似た響きを含む句である。けれども、人の背丈ほども積もった雪の中に最後まで生きていこうという、決意のこもった句でもある。

▶ 小林一茶の句

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