松山や秋より高き天主閣

まつやまや あきよりたかき てんしゅかく

松山や秋より高き天主閣正岡子規 帝国大学在籍中の明治24年(1891年)秋の句。「寒山落木巻一」所収。「時候 人事 天文 地理」に分類された句で、前書に「松山城」。
松山は子規の故郷であり、この年6月に帰省し、9月まで留まっているから、故郷松山を離れる間際の句であろう。故郷を愛した子規に、松山城を詠んだ句は多く、巻一明治25年項に「城山の浮み上るや青嵐」もある。因みに、「春や昔十五万石の城下哉」は、明治28年(1895年)の句になる。

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伊予松山城の句碑(愛媛県松山市)

松山や秋より高き天主閣伊予松山城は、姫路城と並ぶ大規模な連立式平山城として知られており、中腹まではロープウェイやリフトが運行されている。まさにこの句のとおり、下から見れば見上げるような荘厳な城である。
この句碑は、中腹側の乗降場の「長者ケ平」にある。見た目は自然石であるが、中が空洞の銅製という非常に珍しいもの。昭和43年(1968年)5月に、「松山市観光俳句ポスト」第1号として建てられた。横に立つ掲示板には、入選句が貼り出されている。
子規の生まれた俳都らしく、現在では市内100箇所近くに俳句ポストがあり、年に8回の選句がある。入選句は、愛媛新聞にも掲示されるという。
【撮影日:2019年1月3日】

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