俳句

白き巨船きたれり春も遠からず

しろきふね きたれりはるも とおからず

白き巨船きたれり春も遠からず昭和10年(1935年)の大野林火の俳句。第一句集「海門」(1939年)所収。
「白き」「きたれり」で、秋あるいは冬の到来を期待するが、「春」とするところがポイントか。「春も遠からず」で、普通ならば晩冬の景色ととらえるが、冬を迎える頃の景色と見た方が面白いかもしれない。
もっとも、白き巨船というのは、黒鉄の軍艦を対極に置いたものなのかもしれないが。

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港の見える丘公園の句碑(神奈川県横浜市)

白き巨船きたれり春も遠からず港の見える丘公園のフランス山に、「白き巨船きたれり春も遠からず」の句碑がある。碑陰に「昭和五十八年八月二十一日 大野林火句碑建立」とある。一周忌にあわせて、この、横浜に生まれた有名な俳人の句碑が建てられた。ちなみに林火は、ここから西に2キロほどの、日ノ出町に生まれている。
フランス山にはかつて、フランス領事館があった。その小高い山の上の木々の間に、句碑は隠れるように立っているが、数十歩行けば、眼下に横浜港の素晴らしい景色が広がる。
【撮影日:2019年8月13日】

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