俳句

季語|寄居虫(やどかり・ごうな)

三春の季語 寄居虫

ごうな

季語 寄居虫 俳句エビやカニと同じ十脚目に属する。深海から、陸上に生息するするものもあるが、日本では、海岸で見られるホンヤドカリ・イソヨコバサミなどが一般的。
体のサイズに合った貝殻を探し当て、それを背負って生活する。成長するとともに、貝殻を変えていく。普通、引っ越しの時以外は、貝殻から離れることはない。
貝殻は、天敵から身を守るためのものであり、天敵を見つけると殻の中に逃げ込み、ハサミで殻の口に蓋をする。また、貝殻の内部は、削ったり浸食物質を分泌したりして、滑らかで広い空間に保たれている。
寄居虫の特徴として、体長の半分の長さにもなるペニスがある。ペニスが大きいほど、交尾の時に貝殻から離れなくてすみ、家を横取りされて天敵に襲われる危険性が低くなる。
文献上、平安時代以前から食用にされていたことが知られている。焼いたり刺身にしたり、塩辛にして食すが、現代では一般的ではない。

古くは「がうな」とされ、枕草子に、類焼にあった下男が「侍る所の焼けはべりにければ、がうなのやうに、人の家に尻をさし入れてのみさぶらふ」と、陳情にやってくる姿が描かれている。

【寄居虫の俳句】

おのが影引きずりて行く寄居虫かな  喜多和子

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