三春の季語 春燈
春の灯(はるのひ)・春灯(はるともし)・春の燭(はるのしょく)
日が伸びゆく中に明りを灯せば、明るく艶やかなイメージが広がる。和歌では、玉葉和歌集の藤原定家に
山の端の月まつ空の匂ふより 花にそむくる春のともし火
がある。
また、安住敦と大町糺が久保田万太郎を主宰として創刊した俳句誌に「春燈」があり、創刊の辞には「いくら苦しくなつても、たとへば、夕霧の中にうかぶ春の灯は、われわれにしばしの安息をあたへてくれるだらう」とある。
【春燈の俳句】
春の灯のあるひは暗くやはらかく 久保田万太郎
春燈消すやいよいよ眠れぬ夜 大野朱香