仲夏の季語 青梅
俳句で「梅」とすれば花を指し、春の季語になるが、梅の実は夏の季語となる。ただし、俳諧歳時記栞草(1851年)には、「梅とばかりいひても、実のさまにいひとればよし」とあり、実であることが分かれば「梅」でも構わないとされる。
梅の実の収穫期は6月から7月にあたり、そのためにこの頃に降る雨は「梅雨」と書くようになった。
梅の実は、完熟すれば赤みを帯びて「黄梅」と呼ぶが、初期の状態では緑色をしており、これを「青梅」と呼び、梅酒にしたりなどする。熟すほどに梅干しにすることが多くなる。青梅には青酸配糖体アミグダリンが含まれており、呼吸困難を引き起こしたりなどするため、生食はできない。
梅の実は、食用以外にも「烏梅(うばい)」と呼ばれる整腸などに用いられる漢方薬に加工したりもする。
天満宮に祀られる菅原道真公は梅をこよなく愛したために、梅の種のことを「天神様」と呼ぶ。「梅は食うとも核食うな、中に天神寝てござる」との慣用句もあるが、これは梅の種に毒があることを知らせるものである。
【青梅の俳句】
青梅の臀うつくしくそろひけり 室生犀星