俳句

季語|桐の花(きりのはな)

初夏の季語 桐の花

桐咲く(きりさく)花桐(はなぎり)

桐の花の俳句と季語シソ目キリ科キリ属の落葉高木。中国原産。青桐とは異なるため、白桐とも表記する。5月から6月が花の見ごろであるため、夏の季語となる。
桐材は狂いが少なく虫も寄り付きにくいことから、高級箪笥などの材料となる。かつては、女子の誕生とともに植栽して、結婚する際に伐採し、嫁入り道具にした。

桐は、鳳凰の止まる木として神聖視された。そのため、五七の桐など、その木に咲く桐の花を模した紋が図案化され、高貴な紋章となった。
皇室では、嵯峨天皇の頃より菊の御紋に次ぐ位置づけにあり、豊臣秀吉にも下賜された。そのため、五七の桐は「政権担当者の紋章」という認識が定着し、近代になっては「日本国政府の紋章」となった。
また、大判・小判などに桐の紋が打たれていたところから転じて、「桐」は金銭を表す言葉にもなった。

桐は成長速度が早く、切ってもまたすぐに花を咲かせることから、キリの名前の由来は「切る」にあると言われる。
「ピンからキリまで」という言葉があるが、キリは花札の最後、12月の桐のことである。「これっきり」に掛けて、12月に桐の花を持ってきたと言われている。

姦通罪に問われるスキャンダルの渦中に発表された、北原白秋の第一歌集「桐の花」は、歌壇に衝撃を与えている。その中の一首に

桐の花ことにかはゆき半玉の 泣かまほしさにあゆむ雨かな

がある。

【桐の花の俳句】

暁をさへぎるものや桐の花  松瀬青々

▶ 夏の季語になった花 見頃と名所

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