晩春の季語 苧環の花
糸繰草(いとくりそう)
苧環は、キンポウゲ科オダマキ属の植物のことであり、日本原産のミヤマオダマキと、ヨーロッパ原産の西洋オダマキに大別され、約70種がある。日本に自生するのはミヤマオダマキとヤマオダマキで、山野草として愛好されている。ミヤマオダマキを園芸用に改良した基準変種に「オダマキ」がある。4月から6月頃に花をつける。
花の形が麻糸(苧)を巻く「苧玉」に似ているところから「苧環」の名がついた。糸繰草とも呼ぶ。静御前が歌った「しづやしづ賤のおだまきくりかえし むかしをいまに なすよしもがな」の「おだまき」は、糸玉から糸を繰り出すことを歌ったものである。
【苧環の花の俳句】
をだまきの花もしじまのひとつにて 加藤楸邨