俳句

季語|蟻(あり)

三夏の季語 

蟻の道(ありのみち)蟻の塔(ありのとう)蟻塚(ありづか)

蟻ハチ目アリ上科アリ科に属する昆虫の総称。日本に生息する主なものに、アミメアリ・トビイロケアリ・サムライアリ・ヒメアリ・イエヒメアリなどがある。通常は土壌に穴を掘って巣をつくり、女王蟻・雄蟻・兵隊蟻・働き蟻で構成される。兵隊蟻や、蟻の大部分を占める働き蟻は全て雌である。働き蟻は女王や幼虫などの世話、餌の運搬などの仕事を分担する。餌の運搬は老齢蟻が担当することが多い。
繁殖は年一回であり、夏場に翅を持った雄蟻と翅を持った新女王蟻が現れ、それぞれ巣を離れて結婚飛行を行い、他の巣の個体と交尾する。一生分の精子を得た新女王蟻は翅を落として新しい巣で卵を産み続けるが、雄蟻は交尾後すぐに死んでしまう。卵は、餌やフェロモンによって女王蟻になったり働き蟻になったりする。

身近な昆虫のため、「蟻」を使った慣用句は多く、群衆が列を作ってそぞろ歩く「蟻の熊野詣」や、油断大敵を言った「千里の堤も蟻の穴から」などの言葉がある。最近では社会構成を蟻にたとえる「働きアリの法則」がよく使われる。これは、よく働く蟻と、普通に働く蟻と、さぼっている蟻の割合が、2:6:2になることを示したものである。
文学では、イソップ物語の「アリとキリギリス」がよく知られる。

シロアリは、ゴキブリ目シロアリ下目に属し、この項目における蟻とは別種である。また、蟻の巣として「蟻の塔」「蟻塚」を季語として利用することもある。蟻の中にはエゾアカヤマアリのように蟻塚をつくるものもあるが、目につきやすいのはシロアリの蟻塚である。ちなみに白蟻も夏の季語となる。

【蟻の俳句】

たゞ蟻の為すまゝに蝶の衰へる  嶋田青峰

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