季語|長閑(のどか)

三春の季語 長閑

駘蕩(たいとう)

長閑の俳句と季語春は、異動などで慌ただしい季節ではあるがまた、冬の厳しさも去り、穏やかでのんびりとした気持ちにもなる。「俳諧歳時記栞草」には、「春の日のユツタリと長く閑かなるを云」とある。
「のどか」の「のど」は、穏やかな様を表す古語で、「なだらか」に通じる。「か」は接尾語。
古今和歌集にある紀友則の

ひさかたの光のどけき春の日に 静心なく花の散るらむ

は、小倉百人一首33番。

「駘蕩」も、春の伸びやかさを表現するためによく使われる言葉であるが、中国南北朝時代の詩人・謝朓の「春物まさにに駘蕩たり」の句から広がったものだと言われており、温和なことを言う。

【長閑の俳句】

のどかさや障子あくれば野が見ゆる  正岡子規

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