三春の季語 青饅
芥子菜を酢味噌であえたもの。魚介類を加えることもある。俳諧歳時記栞草(1851年)では春之部「兼三春物」に分類し、「和漢三才図会」の引用で「芥(からし)の葉青きを醋(す)に合せ、魚膾に和してこれを食ふ。俗に阿乎乃太(あをのた)といふ」とある。
「饅」とは饅膾(ぬたなます)の略称で、酢味噌で和えた料理のこと。見た目を沼田に見立てて「ぬた」と呼んだもので、室町時代にはすでに存在していた。
青饅の「青」は、芥子菜の青さを表現したもので、青饅が春の季語になるのも、芥子菜の旬が2月から4月になるためである。